2014年12月27日
Pバード No.13
『 青い鳥はうちにいる 』
充電のため、一旦お休みします。
親しくコメントを下さり有難うございました。
とても励みになっておりました。ペコーリ。
皆様のブログは変らず拝見いたしております。
2014年12月06日
絵ッセイ74
山あいの鹿牧場は不人気で誰もいなかった。
うっかり近づいちゃった私を見つけて
ぞろぞろと鹿たちが集まってしまった。
無言で大きな瞳たちに見つめられるのはつらい。
100円分ぽっちのエサ持って 私はどうすればいい。
柵のまわりは鹿の舌の長さぶんだけ
きれいに草が食べ尽くされていた。
おお、それならばと
雑草をむしってあげることにした。
気がついた鹿たちの集まることこのうえなく
金網のそこここから 長い舌がべろべろ伸びてきた。
失敗したなと後悔したがすでに遅く
むしってもむしっても 間に合わない。
草を奪い合って けんかまで始まってしまった。
立ち上がって前足でポコポコなぐり合ってる。
大騒ぎの音に係の人が来てしまいそうだ。
まてまて 今やるから 落ちつけ。
なんでこんなに腹減らかしてるんだ。
旅行中なのに 汗だくになって
草取りしなければならないのは なぜッ?
2014年11月29日
絵ッセイ73
『カラスの仕返し』 2
あすこの家のおばあさんが車上荒らしにあいました
町中でなく山の畑の中です
きっかけは野菜にいたずらしていたカラスに
棒を投げて追っ払ったことでした
少し開いていた車の窓からもぐり込み
封筒に入れていた千円札2枚と五千円札1枚を
ズタズタに引きさいていったのです
器用にもほどがありますが 人間がダメージを受けるポイントを
本当によく知っています
かわいそうに おばあさんはしばらく
怒りと失意で腰の力が抜けたそうです
体を揺らしながら楽しげに
カアカア高笑いしてるのを
いったいどうしてやればいいでしょう
2014年11月15日
絵ッセイ72
今まで会った中で一番賢かった猫、ジャック。
友人の家の彼はもう、パーフェクトだった。
言葉が分かって なんとお手洗いまで案内してくれるのだ。
半信半疑でついていくと 時々振り返りながら
廊下を先導し、トイレの前で正座する。
ここですよというように ニャッと鳴いて すましている。
そして すっかりとりこになった私がなでようとすると
丁重にお断りするのだった。
2014年11月08日
絵ッセイ71
秋も深まると
とんぼも いよいよ弱ってきて
人の指にもよく留まってくれる。
指の先をそっと包むように
ふんわり留まる感触が好きだ。
ちっちゃい幸せ この指と~まれ。
指差したその先に
胸がすくようにみごとな 夕焼け雲。
こんな空を見上げていると
今日一日、精一杯生きたのか、
そう 誰にだか どやしつけられたようで
吸った息が吐けなくなるのだ。
・・・・・・また明日から がんばります。
2014年10月25日
『 箱庭 』
『 箱庭 』
秋のはじめに那須高原に行きました。
こちらと同じくらいの田舎っぷりなのに
おしゃれでセレブな観光地でした。
みやげに買ったミニチュアの家を使って
箱庭の高原を作りました。
うちのトイレがちょっと素敵v
2014年10月18日
絵ッセイ70
ここは小学校の学校田なので
昔風にずらりと稲むらを並べてある。
なんとぜいたくにも ブランド米の〇〇姫なのだ。
人様に贈るばかりで まだ食べた事のない高級品に
すずめ山賊団が 山ほどたかっている。 やれやれ。
足場が安定して とても食べやすそうだ。
朝から日暮れまで 食休みを入れては食べまくっている。
でもまあ、この世の天国を満喫してる様子は
見ていてほのぼのする気持ちもある。
このくらいのおすそ分けは昔はあたりまえだった。
ここ十数年、あっという間にコンバインで
ごっそり収穫してしまうようになって
鳥界ではどんな反響が起きていただろうか。
事情を知らない白鳥などは
落穂が全然ないねえ、と不思議がってるかもしれない。
それぞれの知恵で自然の恵みが行き渡って
皆無事に冬を越せるようにと願うばかりだ。
そして 田んぼががらんとし、
野宿組が路頭に迷う頃
ちびどもがせっせと運び入れたブランド米が
うちの屋根のへりにどっさり貯まっていることだろう。
やれやれ。
2014年10月04日
絵ッセイ69
あれは昔。
どこからか放浪の犬が現れて住みついた事があった。
賢くて行儀がいいので誰も追いたてる事はしなかった。
いつもどこかの家に逗留しているのだが
なぜかしばらくすると ふいに宿替えするのだった。
野良なのにどことなく品があって
風流人というのだろうか、不思議な風情の彼を
私は子供ながら敬意を抱いて見ていた。
だから突然 うちの裏口に
その犬が現れた時は驚いた。
何かもてなさなきゃと分かっていたが
私ひとりだったので 何もなくて困ってしまった。
あわててつい戸棚にあったたくあんを差し出してしまった。
彼は優しくくわえると 尾を振り頭を下げた。
帰っていく彼をそっと追っていくと
前足で砂を掘り たくあんを埋めていた。
さすがに漬け物は食べなかったのだろう。
私に恥をかかせまいとする配慮に顔が赤くなった。
今でもあの犬を 折につけ思い出す。
思うに あの犬は
座敷わらしとかいう存在だったのではなかろうか。
幻のようにいつの間にか消えていたし。
昔話にはよく 何かの姿に化けた氏神さまが
あちこち 家を訪ね歩く話があったものだ。
あはは、それでうちは大金持ちにならなかったのね。
なあんて、そんな馬鹿な事を考えて幾久しい。
2014年09月27日
絵ッセイ68
シリーズ 「 カラスの仕返し 」①
冬場に渡ってくる 食いつめ旅ガラス団が
最近は年々早めにやって来るようになって
あちこちで 騒ぎを起こしているのです。
ある家で カラス除けに
カラスの死骸をぶら下げていたところ
そこらじゅう まっ黒になるほど
何百羽の大群が集まったそうです。
家人が恐怖を感じるくらい ずらりと並んで
長いこと居座って脅されたのでした。
嫌がらせのお葬式でもしていたんでしょうか。
なんとも恐ろしい話ではあります。 なまんだぶ、なまんだぶ。
2014年09月13日
絵ッセイ67
秋の山は楽しい。 宝物がごろごろ。
何の目的もないのに つやつやぴかぴかに心ひかれて
ついどっさり拾ってしまう どんぐり。
袋の中でじゃらじゃら 手を遊ばせる感触が気持ちいい。
これを布団に仕立てたら
さぞかし寝心地いいだろうなあ。 と
いつもここまで考えて ハッと思い出す。
ぽかぽか日なたに放り出しておいた袋の中
何やら芽のようなものが伸びてきて
ビニールを カサッ コソッと鳴らし出し
やがて ワサワサワサッと動かし始めた
いつかのあの日の恐怖。
2014年09月06日
絵ッセイ66
こんもり茂った林の中に
誰かの秘密の部屋を発見。
器用にまあ、四隅をうまく吊っちゃって。
どう見ても 偶然こうなったとは思えないのだが。
この素敵なハンモックに座るのは
どうか でかくて 固くて
黒光りするような奴でありませんように。
ちっちゃくて かわいくて
ふわふわもこもこした子がいいな。
そう、私のメモリーでは そういう事にしておく。
2014年08月23日
絵ッセイ65
〈水族館散歩〉
イロワケイルカの ニカッと笑った口の端から
くわえた楊枝みたいに 何かひらひら出ている。
ちょいとイケメンの飼育係のお兄さんによると
飲み込まずに隠し持った魚を そうやって
出したり引っ込めたりして 楽しんでいるらしい。
八宝菜のうずらの卵を ずっとなめてるみたいな感じ?
わかるぞ、ふふ。
2014年08月17日
絵ッセイ64
にわとりのココをトントン、と軽くたたくと
一歩下がって 手のひらにうまく乗ってくれます。
右手で胸を支えてあげると安定して歩けますよ。
ただ 全身に松ヤニのようなコーティングがしてあるので
猫のようにサラサラはしません。
ガツガツの固い足のようだと思うでしょうが
足の裏は意外にプクプクしていて柔らかいです。
手に乗せて歩いていると
バランスをとろうと グッ グッと握ってくるので
人の手と握手しているみたいなのです。
以上 にわとりとの歩き方。